※性描写があるので18歳未満の人はみちゃだめです



常に乾燥しているここの気候にしては今日の雲行きはよくない。どんよりと低い雲がたれ込め気圧が低くなっている。雷が起こるかもしれない。夕方だがいつもよりずっと暗い。
俺は仕事はあらかた片付けて今週末までの授業の準備も完璧に終え(仕事は前倒しできるものはいくらでも前倒ししなければならない)
コーヒーを飲みながら一息ついていたところだった。
きまぐれにとめくった学会の季刊の会報誌を見ていたらカサゴカゼのワクチンに関しての興味深い項目を見つけてしまいつい読みふけってしまった。ホシコンブの卵から人工抗体か・・・この分野はわりと今面白い発見が出てきている。
天気が悪いので降られないよう早足で切り上げる同僚たちにぞんざいな挨拶をして見送るのを何回か繰り返し、ふっと気がついたら職員室には自分一人になってしまっていた。時計の針は19時をさしている。しまったこんな予定ではなかった。カップにすこしだけ残っていたコーヒーはすっかり冷めていまや泥水に等しくなっている。はやく切り上げて帰ろう。
外を見ると宵闇の最後のピンクから紫へのグラデーションが普段より薄く地平線にかかっていた。その上を光を失っていよいよ黒く重そうに雲が西へ向かっていった。遠雷が聞こえる。
手短に荷物をまとめ白衣をまとったところで廊下から見知った魂反応が近づいてくる事に気づいた。魂がやや疲れの色に染まっている。

「先輩、まだいたんですか」
「・・・・・?シュタイン・・・?お前こそ」

かかった前髪をサイドに流す。廊下はもう灯が落ちて暗い。職員室から漏れる光に照らされた顔は疲れがにじんでいた。

「補習授業今日俺担当だったんだよ・・・」

補習者名簿であろうボードをぞんざいに書類の上に投げ捨てる。先輩は俺の受け持つクラスより年齢の低い部の担当だ。
「悪い子じゃないんだ・・・悪い子じゃないんだけど武器の扱いに問題がある。まあ難しい年頃だ・・・。教師の言う事には反発したいんだ・・・。」
「先輩、コーヒーいれましょうか」
「いや、いい・・・・・」
椅子に寄りかかるように座りしわの寄った眉間を親指と人差し指でほぐす動作をする。だいぶ手こずったようだ。 いいと言われたがやはりコーヒーを入れる事にする。インスタントだがないよりましだろう。先輩も特に止めなかった。 ポットのお湯がなかったので湧かしている間ぽつりぽつりと今日の問題児について話し始める
11歳くらいである事、職人が男で武器が女の子であること、職人の武器に対しての扱いが悪く、当然良い結果が出せず補習になった事。 先輩が武器と職人に関しての盛大な説教をした事、反発された事、女の子は泣いた事、二人の関係が良くならなかった事。
このひとは世話焼きが過ぎるのだ。補習なんてもっと事務的にやればいいんだしそこまで口出しする必要はないんだ。当人たちの問題などどうでもいいじゃないか。 多分本当に自分の生徒たちの事を自分の子供同然と思っているんだろう。教師なんて生徒から見れば煙たいだけの存在だ。 仕事の線引きは必要だ。不必要な感情移入は身を滅ぼす。だから今回のようにお互い無駄に時間を浪費して先輩もストレスを抱える事になるんだ。
少し濃いめのブラックコーヒーをつくる。俺は大量の砂糖とミルクを入れるが先輩は何も入れない事を昔から知っている。
疲れた横顔が半分明かりの消えた職員室にうすぼんやりと照らされる。まだ何か落ち込んでいるようだった。つらく言い過ぎたのを後悔しているのかもしれない。
こうやってみると年を重ねた事がわかる。目元に少し皺があるし髪も肌も全体にくすんで彩度が下がった印象を受ける。それは俺の知っている俺が隅々まで調べた先輩ではない。魔鎌「スピリット=アルバーン」ではなく死神の最強の武器「デスサイズ」であり教師であり一児の父の顔だった。それは俺の知らない事だ。どんなにともに共鳴して戦ってもどんなに肌を重ねても絶望的に知らない時間が俺たちの間には横たわっている。

マグカップにいれた少しさましたコーヒーを手渡す。先輩が両手でマグを握って一口飲む。冷えた指先も心もじんわり熱を取り戻していく。
たったままの俺を上目遣いで見やる。シュタイン悪ィ、ありがとう、このコーヒー、うまいよ。

俺は先輩にキスをした。





おまえ何考えてんだここどこだと思ってるんだ変なところで盛るなとさんざん罵倒されたがかまわず無理やりキスし続けた。
先輩が暴れるので倒れた椅子ごと床に押さえつけ噛まれないよう顎を押さえて舌を割り込ませる。コーヒーはとうの昔に床にこぼれてしまった。
ビターテイストのキスだった。やっぱり俺は砂糖を入れるのが好みだ。
足を割り開いたときに太ももに俺の反応した下半身があたったのか先輩はぎょっとして俺を見やった。魂がふるえてかわいい。
シュタイン頼むここは無理だ。わかるだろう?誰かに見られたらどうする、本当にやめてくれ。頼むシュタイン・・・
魂感知が使える俺からすると誰かに見られる危険性はないということは感覚でわかる。そうじゃなきゃこんなことしない。
でも懇願する先輩がかわいかったから場所を変える事にする。涙目でそういう態度とられるともっといじめたくなるじゃないですか

「だからってここは・・・・・」
「さっき鍵かけました。どうせ誰もこんな時間まで学校に残っていませんよ」
職員室に併設されている職員用トイレ、男女などはなく車いすなどが入れる広めのスペースがあるいわゆるユニバーサルデザインとかなんとかいうやつだ
まあ汚れても平気なのと後始末が楽そうなのもあるが全身鏡があるのが選んだ理由。その意図に気づいて先輩が嫌そうなそぶりを見せた。
逃げられる前に壁に押し付けて後ろから抱きしめる。髪の毛に顔を埋めると先輩のシャンプーとオードトワレの混ざった匂いがして昏い感情がじわりと広がる。合成香料の作られたにおい。ひどい目に遭わせたい。
どこまでひどい事をすれば先輩は俺を見限るんだろう。
性急にベルトのバックルを外して右手で腰骨の張った辺りを撫でながら左は脇腹から肋骨へ。やっぱり俺に比べて腰が細い
先輩がいやがって身をよじる。目を閉じて顔を正面から背ける。鏡がいやなのだ。
目を閉じられると困る。俺は先輩が普段自分がどんな顔して男の後輩に抱かれてるのか自覚してほしいのに。
薄く筋の入った腹筋をなぞりながら耳に複数ついたピアスを一つずつ舌で嬲ると噛み締めていた下唇が吐息でほどけた。
そのまま耳のなかに舌を差し入れたらひ、と先輩は啼いた。
「せんぱい、ちゃんと目を開けて。鏡越しに俺を見て下さいよ」
「・・・みみもと・・・やめろ、しゃべるな・・・っ」
身をよじって抜けようとするので見計らって開いたバックル部分から手を差し入れて前に触れる。先輩のひざがくだけた。
「せんぱい、だめだって。さすがに支えられないです。つらいなら洗面台に手を置いて」
ふるえる手が陶器製の洗面台に触れる。あまりここは使われていないので綺麗だ。
先輩は乗り気ではない。否応無しに鏡と向き合うからだ。休まず前に触って追いつめ本格的に逃げられなくする。
先輩がふるふるとあまり中身の詰まっていないであろうその頭を左右にふる。恥ずかしさで首元までももいろに染まっている。

「・・・し、しにがみさまに・・・・・みられたら・・・っ・・・」
「みせるんですよこれから」
先輩の吐息で曇った鏡に指をはわせる。死神を呼び出す番号のはじめ、4をなぞる。
先輩の顔がみるみる青ざめる。
「それはだめだ!!絶対だめだシュタイン・・・・!!」
「じゃあ逃げようとしないでください。あんまり素直じゃないとほんとに呼びますよ」
まあ俺としてはみせても全然いいんだけど。腕のなかの先輩がふるえて抵抗が弱まる。
ボトムと下着を太腿の半ばまで下げる。冷気に当てられて先輩が目をつぶる。
「先輩足あげてください。洗面台の上に。片方だけでいいから」
信じられないと非難に満ちあふれた目で俺を鏡越しに見る。俺はその鏡に2をなぞる。先輩がおびえておそるおそる右足のひざを陶器の台にかける。こうすると恥ずかしいところがすごく見えるね、そういいながら俺は手洗い用のシャボン液を指に絡めてあらわになったそこをなぞった。先輩はもう恥ずかしさのあまり死にたそうな顔をし始めた。かまわず指を沈める。シャボン液の不釣り合いに清潔さを主張する香りがする。3本目が入る頃には逆らう気力もなくなってくったりしてしまった。 それでもなけなしの矜持かスーツの袖を噛み締めて声を漏らさないようにして鏡を見ないように顔を伏せる。いらいらする。本当にお前の今の飼い主を呼んでやろうか。

「先輩」
「っひぁぁぁーーーー!?」

了承もなしに押し入った。体制的にいつもより骨盤が開いているためか一度でいつもより深く入り込んだ。
無理な体勢で深く穿たれて先輩は痙攣してちょっと呼吸がおかしくなる。見開いた目からころりと涙が落ちた。
「・・・っぐう・・・しゅたい、いた、む、り っぁあ」
細い腰を支えて入り口を押し広げるように軽く体を揺する。悲鳴が漏れる。
お互いがなじんできたので何回か出し入れしてみる。後ろから抱え込むようにして張りつめた前も同時にさわって追いつめる。
「い、いやだそれいやだシュタイ、・・・・う、ぁっ・・・・・っ!!」
上り詰めて俺の手の中でいってしまった。同時にとうとう先輩の理性が陥落した。
もうこうなると本当に素直になる。ちからが抜けてからだのきもちよさにどこまでも正直になる。


ばかになってしまった先輩はすごくかわいい。
意味をなした単語が吐きだせなくなってよだれといっしょに声が止められなくなる。この人はいったん開いちゃうと上も下も大変な事になるなぁ。
快楽に思考が塗りつぶされて瞳の焦点が合わなくなってくる。
プライドとか体面とか恥ずかしさとかそういう高等な感情がわからなくなってきもちのよさにかたくなだったからだが開いてしまう
あれだけいやがっていたくせにひくひくと悦んで俺を締めつけてくる。
「だらしがないなぁスピリットは。前も後ろもぐちゃぐちゃだ・・・」
耳元で囁いて舌を差し入れる。先輩の首筋がふるえる。
「言えよ。どうして欲しい?」
ここで意図的に敬語を使わず命令口調にする事で被虐嗜好のこの人はたまらなく感じてしまう事を知っている。
露骨に俺の入ったなかが反応してしろい太腿の内側がびくりとふるえた。
ぎゅう、と目を閉じる。頬が真っ赤だ。
「・・・・・・・う、・・・・うごいて・・・い、いかせ ぃっ」
顎をつかんで無理矢理鏡を見させる。
「俺の目を見て言えよ。もう一度だ」
「ひぅ・・・」
鏡越しに後ろの俺と目が合う。先輩の目が決壊してぼろぼろ涙が出てくる。本当に泣き顔がかわいい。死神の視線を感じる。見られている。


先輩の内蔵に何かを入れられるというのが俺の興奮する要素なんじゃないだろうか
学生時代のときに俺は薬で眠らせた解剖する前の意識のない先輩を犯した。それが初めて。まあ俺も年頃だからね。スピリットが女の子とするのが大好きなそれが俺にとってはどうなるのか興味があったんだ。若気の至りってやつだ。
それにそっちの方面の知識を教えてくれたのは先輩の方だし。
先輩がその手で教えてくれるまで俺は射精のメカニズムを理解していなかったし「なおしかた」すなわち自慰も知らない少年だった。
その後意識のある先輩がどういう反応をするのか見たくて強姦してみたんだけどもう泣き叫んで本当に大変だった。
信じられない意味がわからないという感じでいやがるので腹が立って縛って無理矢理犯した。そのときはもう体格が同じくらいになっていて武器が職人にかなうわけがなかった。
そこはもう何回か使ってたから先輩は途中で気持ちよくなっちゃっていよいよわけが分からなくなってしまったようでずっと泣いていた。あれはたまらなかったなぁ。 それから泣き顔が見たくなったら押し倒していたけどそのうち縛らなくても逃げなくなって(逃げようとしたら酷くするようにしつけたからだ)好きにしても抵抗しなくなった。最終的に腕をまわして抱きしめてもらったりなんだかまるで愛し合ってるふうになっちゃってよくわかんないひとだなぁと逆に襲ったこっちが困ったものだった。まったく行動パターンが読めない。何を考えているのかまるでわからない。
一般的かつ夢のある言い方をすると俺はスピリットに夢中になってしまったわけだ。夢のない言い方をすると最高の実験材料だった。

要するに先輩は優しいのだ。俺は愛情に飢えたかわいそうなやつだとおもわれたのだ。表現方法を知らないだけだ、甘え方がわからないのだ、と。
今日の補習の武器の女の子とおなじだ。かわいそうなやつは放っておけない。
愛情と同情を無意識に多人数に振り分けれるんだ。
俺は彼から滴り落ちたひとしずくの同情をにぎりしめ、引きはがし、暴き、蹂躙する。


ひどい体制でしつこくいじめたので終わったあと先輩の腰が抜けてしまった。
「先輩ごめんね?つらかった?いじめすぎたね」
「・・・・おまえしねばいいとおもう・・・・」
「ごめんなさい。立てる?」
緩慢に首を左右にふる。補習に加えどっと疲れる事の連続で憔悴しきっていた。さすがに悪い気がしてくる。
肩を組ませ両膝の裏にうでをかけて持ち上げる。先輩はいきなり重力から引きはがされたので焦ったようだが暴れると筋が痛むのか顔を歪めた。いわゆるお姫様だっこの体勢だ。先輩がいやがって首を振る。
「だって立てないんだからしょうがないでしょう。俺が悪かったです。家まで送ります」
家に送ったあとまた何かしてしまいそうな気もするが。先輩が照れてむずがる。
「あんまり暴れないでください。俺も出したばっかで足おかしいんで落とすかもしれませんよ。・・あ、それか武器化してもらえます?」
俺としては大変合理的な提案のつもりだったが先輩はなんて情緒がない最悪とおこってこのままのほうがましだといった。中年で男にお姫様だっこされてる状況のほうが俺からしたらよほど最悪なのだがこの人の基準はよくわからない。
戸締まりはもうしていたので灯りを落として出入り口の鍵だけ掛ける。暗い廊下に一人分の足音だけ反響する。先輩が落ちないように俺の首に腕をまわしてきた。髪の毛から汗とシャンプーのにおいがする。
やっぱりこの人の考えている事はよくわからない。
これじゃまるで愛し合ってるみたいじゃないか。








2009/01/08 ZERA
あくまで実験というスタンスで傷つかないよう自分を守ろうとするシュタインとひどい事されても底なしに受け入れちゃうスピリット。
あとただ単に鏡ごしに目が合うプレイがかきたかっただけです。その後死神様にお仕置きされるパパとかかきたいです。